聖女・侍女の1

聖女は女神と人を繋ぐ特別な存在だ。王国の長い歴史の中で聖女は民衆に愛されて来た。しかし今代の聖女は就任してからほとんど姿を見せない上に加護と呼べる奇跡も起こさず民衆に不信が広がっていた。

聖女・侍女の2

侍女は聖女を深く敬愛しており、二人は常に行動を共にしていた。侍女は聖女をいたわり、女子らしい他愛のない話をし、神学書を共に読んだ。民衆の心無い言葉に傷つく聖女を自分が守らなければと心に決めていた。

聖女・侍女の3

17年前、先代の聖女が死んだ年に少女は生まれた。次の聖女はすぐに神託により選定されるものだが、いつまで経っても神託が下ることはなかった。人々は恐慌に陥り、国は荒れた。7歳になった少女は兄と二人、貧しい暮らしを送っていたが、まさか自分が聖女に選ばれるとは思ってもみなかった。