武勇に秀でたある異国出身のルシャは女ながらに戦士として育てられた。このたび彼女は厳格なる父の言いつけの元、古くから交友を温めている王国の騎士として登用されることとなった。
王国では女性剣士は珍しく、わざわざ故郷を捨て騎士団にやって来たルシャを好奇の目で見つめる者も多い。彼女はそれを煩わしく感じつつも、さほど気に留めていなかった。そんなことよりも、自分らしくあることの方が彼女にとっては重要なことなのだ。
「男だ女だ言いますが、剣の腕で私に勝てる者がこの中にいるんですか。勝てると思う者は今すぐに剣を取るといい、お相手しましょう。…剣を振り上げる前にその首を切り落とされたいのであればですが」